個室サウナ経営者の悩み、赤字から黒字に変わる経営改善のコツ

個室サウナ経営者の悩み、赤字から黒字に変わる経営改善のコツ

個室サウナの経営において、施設の維持管理費や顧客満足度の向上、最新の技術の導入など、多方面にわたる要素を考慮しなければなりません。これらの事柄が計画通り進まなければ、経営が悪化し、最悪の場合、廃業に至るケースもあります。

このように個室サウナ運営はかんたんではありませんが、適切な戦略と活動計画で関門を突破することができます。経営をするにあたり、問題解決の糸口を常に模索し、経営状態の改善や成長し続けるための企業努力を経営改善と言います。経営改善は、企業の成長力の強化、業務効率化、収益性向上、企業価値の上昇など、さまざまな面で重要な役割を担います。

本稿では、個室サウナの経営改善をするにあたり、どのような手順で行うか、そして経営改善を進める際の大切なポイントを紹介します。

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経営改善が迫られる状況

経営不振をもたらす要因として、急速に変化する市場への適応不足や人材不足、顧客ニーズの誤った理解などがあります。さらに、不適切な経営戦略の採用や不十分なリスク管理も経営に悪影響を及ぼします。これらの深刻な課題は、企業を経営不振、もしくは経営破綻にまで追い込む恐れがあります。

経営不振に陥った場合、被害は甚大です。例えば、売上の低下や投資の制限、人材の不足、企業競争力の低下、製品・サービスの品質低下、ブランド価値が毀損される可能性などが挙げられます。このような経営不振の兆候が見えた際、迅速かつ適当な経営改善を実行することが必要です。経営改善は、経営不振を解決するためだけではありません。市場や経済環境、技術、顧客ニーズといった変化の激しい外部環境に対応し、企業が成長し続けるために不可欠なプロセスです。

個室サウナは、他業種と比べ、開業時に購入する設備や機械の費用がかかります。合計の導入費用がおよそ数千万円と推定され、大規模な個室サウナになると数億円が必要になることもあります。加えて、ランニングコストもかかるため、儲かりにくいのではないかと疑問を持つ方が多いことも事実です。しかし、綿密な経営計画や競合他社との差別化されたコンセプトを考案できれば、利益を生み出すことは可能です。経営戦略を徹底的に考え抜くことで、経営破綻を回避し、安定経営が実現します。

経営改善をする流れ

1.状況分析: 店舗の状況把握、経営上の問題点の可視化
自社の現状を理解するために、内部環境と外部環境の両方の分析が欠かせません。内部環境分析では、自社の強みと弱み、機会、脅威を明確にします。外部環境分析では、業界動向、競合の状況、顧客ニーズ、会社法などを調査します。

2.目標刷新:解決すべき問題への具体的な目標の決定
収益増加、コスト削減、シェアの拡大、顧客満足度、サービス内容の向上など、具体的かつ達成可能な目標に刷新することで、改善に近づきます。

3.改善戦略:目標達成に向けた改善案の策定
新たな製品開発、マーケティング戦略の見直し、オペレーションの効率化など、具体的な形で戦略を立てることができます。そして、目標達成に向けて、各タスクの責任者、期限、必要なリソースなど詳細な行動計画ともに作成します。

4.実施・観察:立案した改善策の実施
行動計画に基づいた改善戦略を実行し、進捗状況を定期的に観察します。必要があれば行動計画を修正します。

5.結果の検証:実行した改善策が目標達成に貢献しているかの検証
目標達成に向けた行動終了後、結果を検証します。成功した点、改善が必要な点を見つけた場合、その要因を入念に分析する必要があります。そして、検証結果を受け、今後の経営改善を検討します。

経営改善に向けた具体的なポイント

実際に経営を改善するにあたり、何をどのように変えればよいかを悩む経営者は非常に多いです。本項では、経営改善に必要な具体的な7つのポイントを紹介します。

顧客満足度の向上

顧客満足度が高く、リピーター数が多い店舗は、通常、売上の増加傾向にあります。1人の顧客が店舗に好印象を持つと、その顧客が再び利用することに加え、他の人々にも勧める可能性が高まり、結果的に店舗利用者の増加が見込めます。

個室サウナにおいてリピーターを増やすために、「ととのう」ための快適な空間づくりが必要です。そのために、高品質な設備の充実は欠かせません。通常の温泉や銭湯内のサウナとは異なり、個室サウナは、サウナに特化した施設であるため、顧客の満足度は、いかに上質なサウナ体験を提供できるかに比例します。水風呂やオートロウリュ、アメニティなどを充実させることを心掛けましょう。

ターゲットの再選定

経営戦略の鍵を握るターゲットは、変更する必要性があれば、再選定するべきです。

一般社団法人 日本サウナ・温冷浴総合研究所が発表した「日本のサウナ実態調査2023」内「個室型貸切サウナの利用」によると、この1年(2022年内)で25%以上が個室サウナを1回以上利用しています。また、1回あたりの利用金額が3,000円以上が60%を超えているため、ビジネスパーソンを主なターゲットにすることを推奨します。

しかし、これは大雑把なターゲティングであるため、自身の店舗がある地域の年齢層、訪れる客層を詳細に分析した上でターゲットを選定することが重要です。

コンセプトの再選定

コンセプトも経営にとって重要であり、変更に応じて再設定しましょう。コンセプトは経営の指針となり、立地、店舗デザイン、料金設定、顧客サービスの選定などの終始一貫した基本的な方向性を保つことに役立ちます。個室サウナの経営にあたっては、「競合他社と差別化」されたコンセプトや「閑散期を逆手に取った」コンセプトを打ち出すことが求められます。

競合他社との差別化

個室サウナは初期費用がかかるため、現状の店舗数はそれほど多くはありませんが、個室サウナ自体が大きな特徴を持っていることから、差別化が困難です。そのため、競合他社にはない独自性のある魅力的なコンセプトを決定することが必要です。

例えば、人々の多様性に配慮することは選択肢の一つです。多言語対応やタトゥーの入った人も入浴可能にすることで、海外の人々にも向けた差別化したコンセプトになります。

また、地域と人々の特性を考慮することも選択肢の一つです。オフィスが多い地域であれば、仕事帰りに気軽に立ち寄りたい、疲れを癒したいというような欲求に合わせたコンセプトを打ち出すことが有効です。

閑散期を逆手に取ったコンセプト

サウナの需要は、外気浴に適した気温である春季・秋季に高まりますが、反対に夏季には下がります。個室サウナ経営では、夏季の収益をいかに拡大するかが重要です。

そのため、夏という閑散期を逆手に取ったコンセプトを打ち出すことで、夏季でも利益を生むことができます。例えば、エアコンの効いた室内に慣れているオフィスで働くビジネスパーソンに向けて、夏バテ予防など健康面のメリットを訴求するようなコンセプトを展開できます。具体的な施策としては、夏限定の回数券や割引キャンペーンが効果的です。

価格の見直し

価格の見直し前に、全体的なコストの把捉が欠かせません。初期費用と維持・運営費用はどれほどかかっているか、売上がどの程度見込めるかを分析し、黒字へのターニングポイントとなる「損益分岐点」を判断しましょう。

料金設定を再検討する際、競合他社の調査、選んだターゲットとコンセプトに合致したサービスが提供できるかを検討します。セルフ脱毛サロンは低価格でサービスを提供する店舗が多いですが、価格がターゲットにとって高いのか、もしくは利益を見込めないほど低いのかなどの分析を行うことが望まれます。また、曜日や時間帯によって料金が変わるなど、フレキシブルな価格設定を採用することも重要です。

料金の見直しにあたり、競合他社との比較、ターゲットに適した価格帯か、コンセプトと一貫したサービスが提供可能かどうかを考察します。時間帯や曜日などで価格が変わる柔軟な価格設定を検討することも必要です。

客単価の増加

個室サウナの収益を増加させるにあたって、客単価を向上させることも重要な要素の一つです。例えば、利用時間に応じた料金設定をする場合、顧客に長時間滞在してもらう必要があります。その場合、サウナサービスをより充実させましょう。設備の充実だけではなく、サウナ室の温度やBGMのカスタマイズ性、清潔感などを高めることで、顧客が長時間サービスを利用する機会を提供できます。

また、サウナ以外の付加価値を提供するのも客単価を高める手法です。例えば、サウナハットやサウナ用メガネなどの商品販売、マッサージなどのエステ付きプランを導入することで、さらなる収益が見込めます。

システムの活用

新しいシステムやテクノロジーを利用することは、業務の効率化やサービス品質の向上、新しいものに対して好奇心を持った層への訴求など、多面的な経営改善につながります。これは単に最新の個室サウナ設備を導入するだけでなく、顧客が店舗を利用しやすくなるシステムの採用など、顧客満足度と運営者側の業務負担を軽減することの両方が大切です。

例えば、オンライン予約システムや自動決済システムの導入は、店舗運営の効率向上に加え、顧客にとって、面倒な予約手続きの手間を減らす有効な手段になります。スタッフは管理業務に費やす時間を削減し、顧客サービスへ専念できるたため、その結果、顧客ロイヤリティの向上が望まれます。

マーケティングの強化

企業が継続的に成長するために、マーケティングへの尽力は不可欠です。成功したマーケティング戦略は、企業の認知度を高め、新規顧客の開拓、利用状況や収益に対して直接コミットします。さらに、マーケティングを通じて、顧客の趣味や行動などを深く理解することにより、最適なサービスを提供することが可能となります。

具体的な例として、YouTubeやTikTokなどの動画配信サイトは幅広い年代のユーザーが利用しており、近年、店舗独自のアカウントを持つことが増えてきています。自社のターゲット層に合わせたコンテンツの制作を通じて、新規の顧客を獲得することができます。例えば、個室サウナの施設案内動画や各店独自の「ととのい」方の動画など、個室サウナ固有のコンテンツを作ることで、リピーター数の拡大も期待できます。

経営改善の過程において、マーケティングを強化することは、市場や競合環境の変化に適応する能力を高め、持続可能なビジネス運営の基盤を安定させます。

まとめ

今回は個室サウナの経営改善について解説しました。

実際に店舗を運営していく上で、思うように売上が伸びず、競合他社に顧客を奪われるなど、さまざまな理由で店舗運営に苦難する場合があります。そういった状況の時こそ、経営改善をする流れを踏まえて、具体的な改善策を実行し、改善するサイクルを回していくことが重要です。

経営を改善するにあたり、まずは実現可能性が低い改善案ではなく、自社の経営状況や資源を吟味した上で、ターゲット、コンセプトの再選定や顧客満足度を向上させる方法など、見直していくことが大切です。

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画像引用元:RESERVA公式ホームページ

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