屋内で手軽にゴルフを楽しめることで近年注目を集めているシミュレーションゴルフ。利用者の増加に伴って、フランチャイズ事業で店舗の拡大を進める動きもあらわれています。
フランチャイズ事業とは、事業の本部が商品やサービス、経営ノウハウなどを加盟店に与える代わりに、加盟店が本部に対して一定の対価を支払うという方法で成り立っている経営事業です。開業にあたっての自由度が低い反面、低コストで経営が始められることが特徴です。
本記事では、シミュレーションゴルフ店をフランチャイズ経営するにあたっての開業手順、メリットや注意するべきことを詳しく解決していきます。
シミュレーションゴルフのフランチャイズ経営とは
シミュレーションゴルフは、室内にいながらバーチャル機能でゴルフの練習や疑似ラウンドが体験でき、ゴルフ場が利用できない期間やゴルフスクールなどでは以前から利用されていました。しかし近年、実際にゴルフ場に出向くよりも手軽に、空いた時間に利用できることや、紫外線や天候を気にせず楽しめることから都心部の利用者や女性から高い評価を得ています。
シミュレーションゴルフは、バーチャルならではの魅力や、幅広い層に楽しまれているといった点が特徴です。また、愛好者の地域も偏りが少ないため、フランチャイズ経営に向いています。店舗にスタッフが常駐している必要がないため副業としての経営も可能です。
すでに複数の企業がシミュレーションゴルフのフランチャイズ事業を展開しており、いずれも高い収益率を誇っています。
シミュレーションゴルフのフランチャイズ開業手順
シミュレーションゴルフのフランチャイズ開業までの流れ・手順は以下の通りです。
STEP①：フランチャイズの選択
STEP②：加盟相談・審査
STEP③：物件選び
STEP④：資金調達
STEP⑤：施工工事・研修
STEP⑥：開業
一般的にフランチャイズで開業するためには、最低限このようなステップを踏む必要があります。
それぞれの手順・流れについて、以下で詳しく解説します。
STEP①：フランチャイズの選択
シミュレーションゴルフ業界に複数存在するフランチャイズの中から、最適なプランを選択します。ここでは、自分のキャリアや目指す店舗の方向性はもちろん、研修やサポートの手厚さ、ロイヤリティや資金援助などの情報もよく精査する必要があります。
また、実際にフランチャイズ経営されている店舗に足を運んで、内装や外装、設備や店舗の雰囲気を知ることも効果的です。
STEP②：加盟相談・審査
加盟したいフランチャイズが定まったら、本部を訪れて加盟に向けた相談を進めていきます。経営上の疑問点や懸念点を直接質問し、問題がなければ審査を申請します。この際、本部の雰囲気や担当者の対応などにも違和感がないか、確認が必要です。
審査では、履歴書や健康診断書、納税証明書などを提出し、それに基づいて判断されます。人格や健康状態、本業との兼ね合いや経済力を総合的に審査し、本部が経営者として申し分ないと判断すれば、契約が成立します。
STEP③：物件選び
加盟社が希望した立地や物件に対して、本部が統計やコンピューターを用いて立地評価や売り上げ予測を行います。その結果によっては本部の提案する立地への移動や、物件の探し直しを行う場合もあります。
開業しようとしている土地になじみがない場合は、実際に足を運び、周辺の商業施設や治安などを確認することも重要です。
STEP④：資金調達
物件の場所も決まり、施工工事をスタートするにあたって必要になるのが初期費用の調達です。多くのフランチャイズ本部は融資を受けるにあたってのサポート体制が整っているため、提携の金融機関の紹介を受けられる場合があります。また、その際に必要になる事業計画書などの作成を手助けしてもらえることもあります。
個人で資金調達を行う場合、日本政策金融公庫や銀行に融資の申請をするのが一般的です。中でも、「日本政策金融公庫の融資制度」は初めてのフランチャイズ経営という場合でも審査に通りやすい傾向にあるため、融資を受けられるか不安という方は要チェックです。また、融資以外にも「小規模事業者持続化補助金」といった補助金を活用することも可能です。
STEP⑤：施工工事・研修
店内の施工工事と同時並行で、必要な設備の吟味や調達、店内装飾やインテリアの選択を進めていきます。フランチャイズ経営は全体的に自由度が高いことが特徴ですが、節度をわきまえたブランドイメージからそれないデザインを意識することが重要です。
また、フランチャイズ本部によって提供されるマニュアルを読み込んだり、トレーニングプログラムを受講したりしながら店舗のオープンに向けてできることを進めていきます。
STEP⑥：開業
すべての準備が整ったら、いよいよ開業です。
広告や宣伝を有効活用して、新規顧客の獲得に励みます。また、フランチャイズ本部との契約期間中は定期的な面談や業務報告を行う必要があります。
フランチャイズ経営のメリットとリスク
メリット
フランチャイズ経営のメリットとしてまず挙げられるのが、確立したブランドとサポート体制です。フランチャイズ経営は、既存の確立されたブランドや製品ラインを提供するため、独自のブランドでゼロから勝負するよりも市場進出が容易になります。また、フランチャイズ本部は加盟者に対して手厚い研修トレーニングや運営サポートを行うため、低リスクで開業できます。
また、同様の系列店が全国に多数存在することによって、他店での失敗事例から事前にリスクを回避したり、成功した経営戦略を取り入れたりすることも可能です。さらに、フランチャイズ本部による全国的なマーケティングや広告戦略によって自動的に顧客の注目度があがるため、開業直後から集客を得やすい傾向にあります。
リスク
フランチャイズ経営のリスクには、その競争率の高さが挙げられます。系列内の他店と常に売り上げを比較され、業績次第では契約が打ち切られてしまいます。それまで経営者として店舗の運営を任されていても、契約次第では突然職を失う可能性があります。
また、メリットでもある確立されたブランド力は、リスクとも紙一重です。系列店舗スタッフの不祥事や品質の低下、事故などが起こった場合、すべてのフランチャイズ店舗が悪影響を受けることになります。全国展開されている大きなブランドについた悪評は覆すことが難しいため、業績の低下につながることが想定されます。
シミュレーションゴルフのフランチャイズ経営成功のポイント
競合分析
シミュレーションゴルフのフランチャイズ経営を成功させるためには、競合他社の分析が効果的です。同様の系列店が多く存在するシミュレーションゴルフ業界において、他社と差別化を図るためには何をするべきかを徹底的に分析する必要があります。立地や導入されている製品、サポート体制などすべての要素から自店独自の魅力や改善点を見つけることが求められます。
プロモーションイベントの実施
店舗独自のプロモーションイベントを行うことで、集客やリピート率の増加が期待できます。シミュレーションゴルフならではのデータ計測を用いたスキルコンテストやトーナメントを開催することで、期間中の来店意欲を向上させることができます。また、店舗でのイベントの開催は利用者同士の交流を促進するため、口コミから利用者や、憩いの場としての利用頻度が増加することも見込めます。
契約の遵守
フランチャイズ経営は、本部の協力によって成り立っています。そのため、契約内容や規則を遵守し、信頼関係を構築することが必要不可欠です。そのうえで、本部から提供されるトレーニング、マーケティングサポート、運営ガイダンスを積極的に活用し、経営に生かすことで、高い評価を得ることができます。
まとめ
今回は、シミュレーションゴルフのフランチャイズ経営をはじめるにあたっての流れやメリット、注意点などを解説しました。シミュレーションゴルフ業界は成長が著しく、これからさらに多くの企業の参戦が予想されるため、フランチャイズ経営の狙い目と言えます。
シミュレーションゴルフのフランチャイズ経営を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。