印象アップや身だしなみのひとつとして、ビジネスパーソンや学生の間で脱毛志向が高まっています。脱毛の方法は自宅で行う脱毛や医療脱毛などがありますが、痛みが少なく比較的低価格で通える点から、脱毛サロンの利用者が増えています。また、現在は女性だけでなく男性も脱毛サロンを利用することがあり、美容室感覚で通える脱毛サロンの需要はますます高まるでしょう。
特に最近では、脱毛サロンのなかでも自分自身が脱毛機を操作して施術を行うセルフ脱毛サロンが注目を集めています。来店者自身で脱毛をするため、人件費を抑えた運営が可能となります。
しかし開業にあたっては、初期投資、ランニングコスト、運営方針の確立などの準備を行うことが重要です。また、競争が激しい市場であるため、差別化するための戦略も必要となります。
本記事ではセルフ脱毛サロンをこれから開業しようという人のために開業時にやるべき必須項目を紹介していきます。
セルフ脱毛サロンの需要
セルフ脱毛は、自分で施術を行うため人の目を気にすることなく通常の脱毛サロンと同様の効果が得られる点で期待度が高まっています。また、コロナ禍で非対面サービスが増えたことも需要の高まりを加速させています。
株式会社リクルート・ホットペッパービューティーアカデミーの「男女のムダ毛・脱毛に関する意識調査」によると、セルフ脱毛サロンを利用したいと考えている割合は、10代と20代の女性では半数を超え、男性では10代が42.6%となり、特に若い世代でセルフ脱毛サロンの利用意向が高まっています。今後は若い世代をターゲットに、価格を抑えたセルフ脱毛サロンが増えることが見込まれます。
開業するために必要なステップ
セルフ脱毛サロンの経営は、脱毛機器と場所を確保できればすぐ開業できてしまうようなイメージがありますが、意外にも多くのステップがあります。まずはセルフ脱毛サロンの開業において、事前にやっておくべきポイントを10点紹介します。
セルフ脱毛サロン開業やることリスト
☑1.脱毛に関する知識習得
☑2.サロン用脱毛機の選定
☑3.資金計画
☑4.物件選び
☑5.外装・内装工事
☑6.運営方針の決定
☑7.開業届の準備
☑8.青色申告の申請
☑9.社会保険の加入
☑10.集客
1.脱毛に関する知識習得
セルフ脱毛サロンでは来店者自身で施術するとはいえ、スタッフは安心して脱毛してもらえるよう、脱毛機器や安全管理に関する知識を学ぶことが欠かせません。脱毛機器の種類や操作方法、安全性に関する十分な説明力が求められます。
誤った施術方法を解説してしまったり、機器の使い方を正しく解説できなかったりすると、火傷や炎症などのトラブルが発生してしまう可能性があります。トラブル時はサロン側が責任を取らなければならない場合が多いため、脱毛知識は事前に身につけることが重要です。
2.サロン用脱毛機の選定
サロンで使うセルフ脱毛機は多く製造されており、その機器が対応している脱毛方式はさまざまです。脱毛方式には、毛根をターゲットに光を照射して熱を生み出すことによって毛根にダメージを与えるIPL(インテンスパルスライト)方式や、毛の生成に重要な細胞を作り出すバルジ領域と呼ばれる皮膚層に低い熱でダメージを与えるSHR(スーパーヘアリムーバル)方式などがあります。
参考:医師監修|脱毛サロンの選び方は通いやすさが鍵!プランや料金も比較|全身脱毛サロンキレイモ【公式】
サロンで使用する脱毛機を選ぶ際には、どの方式に対応する機器なのか、サロンの目指す方向とあわせて確認します。現在はIPL方式とSHR方式の両方を選べる機器が製造されており、予算を考慮して導入することが可能です。
脱毛機の購入の際には、価格や性能だけでなく、安全面や痛みの強弱など、いくつか検討するべきポイントがあります。下記のポイントを参考に安全性と持続性が高い機材を導入してください。
業務用セルフ脱毛器の購入ポイント
・値段
・安全性
・脱毛効果
・照射スピード
・照射範囲
・痛みや熱さ
3.資金計画
開業するにあたり、初期段階でかかる費用や都度かかっていくランニングコストを算出しなければなりません。特にセルフ脱毛サロンを運営する上でかかる費用については以下のようなものがあります。
初期費用 | |
土地代・建物代 | 開業するための場所や脱毛機器が設置できるスペースが必要です。また、明るく清潔感のあるサロンにするためのエリア選定も重要です。 |
セルフ脱毛用の機材費 | 脱毛機器は大きさも価格もさまざまです。店舗の規模に合わせて選定するのが良いでしょう。 |
消耗品費 | ベッド、棚、脱毛ジェル、シーツ、脱毛機のカードリッジ、ゴーグルなどを購入する際に発生します。 |
内装・外装工事費用 | 脱毛機の導入と設置、内装・外装の工事費など、サロン開業独自の工事費が必須です。 |
ランニングコスト | |
賃貸料 | 賃貸物件の賃料を毎月支払う必要があります。業務用脱毛機器をレンタルする場合はそのレンタル料がかかります。 |
システム維持費 | 予約や来店・来場業務をシステム化する場合に発生します。 |
人件費 | スタッフを雇用する場合、賃金の支払いを視野に入れる必要があります。 |
その他 | 広告費、光熱費など必要不可欠な支払いが発生します。 |
初期費用は一度に背負うことになるため大きく感じられますが、年数を重ねることで回収を見込めるため、長い目で見て計画を立てることがおすすめです。
4.物件選び
サロンコンセプトに近い物件を選ぶことが大切です。セルフ脱毛が若い世代により注目されている状況を考えると、外装のデザインや周辺の雰囲気も影響します。
駅から近い場所に店舗を構えると、仕事帰りのビジネスパーソンや異なる駅に住む人も訪れやすく顧客獲得の機会が得られます。しかし駅に近いほど土地代や賃貸物件の賃料は高くなるため、十分に検討する必要があります。
5.外装・内装工事
物件が決まったら、サロンをどのようなデザインにするかを検討します。セルフ脱毛サロンは清潔感が必須です。明るく、誰にとっても入りやすい店舗になるように外装を考えていきましょう。
同様に内装でも清潔感は必須ですが、脱毛初心者の方を想定して施術の手順や機材までの導線をわかりやすくすることが重要です。これらをふまえて、外装・内装をデザインしていきます。
6.運営方針の決定
セルフ脱毛は10代~20代で特に注目され、世代に合わせたコンセプトを設定して経営する必要があります。例えば、初回来店時の割引や紹介キャンペーン、男性限定メニュー、回数券などのサービス面の工夫をすることで運営方針は大きく変わり、かかるコストにも違いがあります。また、中長期的な事業計画を立てておくことで資金調達の補助金や助成金の申請に役立ちます。
7.開業届の提出
事業を開始して1カ月以内に、個人事業主は税務署に開業届を提出する必要があり、その提出方法は以下3パターンにわかれます。
①窓口での提出:直接税務署の窓口に行くと、記入漏れなどの心配をせずに提出ができます。ただし、平日のみの営業です。
②郵送・投函:開業届は国税庁のホームページからダウンロードできるため、郵送や時間外収受箱への投函が可能です。
③オンライン提出:国税庁のオンラインサービスe-Taxの利用によって、自宅で開業届を提出できます。
8.青色申告の申請
個人事業主の確定申告は青色申告と白色申告から選択できます。青色申告は税制上の特別な控除を受けられ、白色申告はその適用を受けられません。何も申請しない場合は白色申告になり、青色申告をする場合は税務署に青色申告承認申請書を提出する必要があります。個人事業の場合、適用を受けたい年の3月15日まで、新規開業の場合は開業後2カ月以内に提出しなければなりません。
9.社会保険の加入
個人事業主は、個人の社会保険の手続きを自身で行う必要があります。
国民健康保険 | 日本では「国民皆保険制度」によって必ず入らなければいけない保険です。会社員は会社の規模や業種に応じた別の健康保険に加入しており、会社を辞めて個人事業主になった場合、14日以内に手続きをしなくてはいけません。 |
国民年金保険 | 20歳以上60歳未満の人は、必ず加入しなければならない保険で、老年になったとき、障害状態になったときに保障される制度です。こちらも個人事業主であっても加入が必須で、退社後14日以内に手続きが必要です。 |
介護保険 | 高齢者の介護負担を支える保険制度で、健康保険と同時に徴収されます。個人事業主も同様に徴収されるため、国民健康保険への手続きだけで問題ありません。 |
10.集客
セルフ脱毛サロンは自分で脱毛を行うため、スタッフの脱毛技術による評判よりも自社の運営方針のアピールによって顧客を集める必要があります。そのためには、運営するセルフ脱毛サロンについての広告やチラシ、SNS投稿を利用して周知しなければいけません。
特にSNSやホームページの運営などインターネットを介した集客は、検索されやすく、広告費との兼ね合いを考えながら積極的に導入するのがおすすめです。また、店舗の入りやすさや雰囲気、予約の容易さも新規顧客・リピーターを獲得する上で重要なポイントになります。
開業前に準備しておきたいもの
開業時、店舗の規模に合わせて何がどれくらい必要かを見極めていくことが重要です。今回はその中でも特にセルフ脱毛サロンに必要なものを6点紹介します。
セルフ脱毛機器
サロンで使用するセルフ脱毛機は、家庭用脱毛機よりサイズが大きく、値段は高く設定されていることが多いです。効果と安全性が高い業務用のセルフ脱毛機を選ぶだけでなく、万が一の施術トラブルに対応する保険制度や脱毛機器の不具合に対応する保証が充実しているメーカーから購入すると安心です。
また、脱毛機は使用していくにつれ徐々に劣化していくため、定期的なメンテナンスが必要です。マシン購入時には、サポート内容が充実している販売会社を選ぶのが良いでしょう。
脱毛機器は1台100万円を超えるものもありますが、レンタルできる機器もあるため、さまざまな機器を試しながら本購入を検討するのもおすすめです。
ベッド、インテリアなどの備品
セルフ脱毛サロンは、スタッフと来店者のみの空間になることが想定されるため、脱毛しながらリラックスできるベッドやインテリアといった家具類を準備しておく必要があります。
その際、店内の色合いにあわせた設置が好ましく、顧客が「また利用したい」と思える内装にすると、新規顧客が獲得しやすいです。脱毛機器とあわせて周辺の家具にも気を配ることでリピーターを期待できます。
消耗品
セルフ脱毛サロンでは、消毒・清掃グッズ、シーツ、脱毛ジェル、脱毛機のカードリッジ清掃用品など、毎回あるいは定期的に交換する物品があります。衛生面を念頭におき、来店者が使用する物品の交換、在庫の確認を忘れずに行ってください。
ホームページ
自社のホームページを公開しておくことで、より明確な情報や脱毛の効果を掲載でき、集客率の向上につながります。近年は無料でホームページを作成できるサイトや補助金制度、作成代行など費用や技術がなくても運用が可能です。
WordPress(ワードプレス)は無料で多くの人にアクセスされるホームページを作成できます。
メールアドレス
ビジネス用のメールアドレスは、サロンに関する問い合わせやビジネス上のやり取りの際に必要になります。フリーメールは費用がかからずかんたんにメールアドレスとして運用できますが、他社との差別化、信頼性を高めるために独自のドメインを取得するといった方法もあります。
ソフトウェア
ソフトウェアの導入は、多くの顧客を相手にする場合や少人数で運営する場合に特に有効です。紙での記帳や管理では、毎回の書類作成や顧客情報の保管など多くの面で手間がかかります。業務の効率化が図れるソフトウェアはサポートや費用、機能など自社にあったものを選ぶと効果的です。
RESERVA(レゼルバ)は、予約システムでありながらオンライン決済機能が搭載されており、予約と同時に支払いが可能で業務の手間を省くことができます。
ほかにも、弥生会計オンラインのような青色申告に必要な書類をまとめる会計ソフトや、簡単な質問に答えるだけで無料で開業届が作成できる、開業freee、案件や問い合わせの報告書を管理するkintone(キントーン)など、さまざまな目的に対応したソフトウェアがあり、機能を比べて利用することが必要不可欠です。
>>ますます増えるセルフ脱毛サロン!今から開業したい人が知っておくべきポイント【後編】
セルフ脱毛サロンには、予約システム「RESERVA」がおすすめ!
画像引用元:RESERVA公式ホームページ
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