個室サウナは有人運営 or 無人運営?各要綱がわかると方針が決まる!

個室サウナは有人運営 or 無人運営?各要綱がわかると方針が決まる!

「整う」という流行語を生みだすほど人気を集めるサウナ。一般社団法人 日本サウナ・温冷浴総合研究所が2023年に発表した「日本のサウナ実態調査2023」によると、2021~2022年のサウナヘビーユーザー(月に4回以上利用)の人口は前年比12.6%増加しており、依然として人気を保っていることが示されました。

そのサウナ施設の中でも近年とりわけ注目されているのが、個室サウナです。コロナ禍において密を避けつつサウナを利用できることや人目を気にせずリラックスできることを理由に、人気が急上昇中です。

個室サウナのビジネスは、大規模なフィットネスジムやスパ施設と比べて設備投資が少ないという特徴があります。その点に魅力を感じ、起業を検討している方も少なくないでしょう。しかし、実際に事業を立ち上げる際には、ターゲットとする顧客層や提供するサービスの内容など、明確な運営戦略を設定することが求められます。初めから戦略が明確にある企業は、迷いなくビジネスを推進することができます。

運営戦略の設定のためには、個室サウナを運営する形態を詳しく知る必要があります。具体的にどのようなシステムで運営しているかを知ることで運営戦略をスムーズに整備できるからです。本記事では、個室サウナの運営形態であるスタッフ有人型と無人型の、それぞれの特徴や運営する上での注意点について説明します。

運営形態ごとの特徴

個室サウナを運営するにあたって、運営形態によって経費やサービスのあり方が大きく変動します。少数のスタッフに受付業務などを担当させる有人運営と、機械やシステムのサービスを主体にする無人運営では特徴が大きく異なるので、それぞれのメリット・デメリットを把握した上で、どちらの形態を選択するのか決断しましょう。

  メリット デメリット
有人運営 ・トラブル対応の迅速さ
・顧客サポートの提供
・スタッフの人件費
・予約の複雑化
無人運営

・人権費の削減
・24時間稼働可能
・顧客が気軽に利用可能

・初期設備投資やメンテナンスのコスト
・サウナ設備に対する説明の限界
・トラブル対応の遅れ

1. 有人経営

個室サウナにおいて、スタッフが勤務する形態の運営には、顧客体験の質と安全性が確保されるという利点があります。スタッフが常に現場にいることで、サウナ設備の操作方法や温度管理についての詳細なアドバイスを直接提供することができます。顧客はプライベート空間においてサウナを利用することに慣れていない傾向にあるので、知識を持つスタッフが常在することで顧客は安心してサウナを楽しめます。

このようなスタッフのアドバイスは、顧客の安心感をもたらすだけではなく火災事故や誤った設備の利用を避けることも可能にします。そして、スタッフの素早い対応は緊急事態が発生した際にも発揮されるため、経営者にとってもリスクを軽減する結果につながります。

有人運営にはスタッフ1人あたりの人件費、アルバイトであれば時給1,000円~1,500円ほどがかかります。個室サウナの運営は、通常のサウナと比べて初期費用が大きい代わりに顧客単価が高い傾向にあるため、有人経営を選択することは好ましいといえます。しかし、スタッフを雇う際にはしっかりとした計画を立ててから行うことを推奨します。

2. 無人経営

スタッフが不在である形態の運営は、運営効率や顧客利便性を向上させることが可能です。人件費が発生しないためのコスト効率の良さと24時間稼働による顧客満足度の向上は、経営者・顧客両者にとってメリットといえます。特に24時間営業は、現代の忙しいライフスタイルに対応した利便性で、多くの顧客を惹きつけることが可能です。また、ヘルスケアに関心を持つ層にとって、入店から退店までスタッフと会話せずに店舗を利用できることは、感染症のリスクを軽減できる点で魅力的です。

しかし、スタッフが不在の運営では直接的なサービス提供ができないことで、顧客のロイヤリティを損なう場合が考えられます。また、サウナは設備の誤った操作やその他条件によって事故が起こりやすいサービスなので、スタッフが不在であることは事故のリスクを大きく増加させることになります。

無人運営の場合、通常スタッフが行う業務をシステムに任せることが必要ですが、それに加えて火災事故や滑り事故、熱中症など想定しうるトラブルについては事前に対策を講じることが必須です。

スタッフ採用の失敗を避けるためのキーポイント

1. 採用目的の確立

どのような役割のスタッフを採用するのか、どの仕事を任せるために雇うのかなど目的を明確にしてから求人情報を公開する必要があります。採用後に何の仕事をするか明確でなければ、応募者の減少や採用後のトラブルが発生します。

個室サウナであれば、サウナ設備の説明をするスタッフ、サウナの衛生管理を担当するスタッフ、受付業務を担当するスタッフなど多くの役割があります。採用目的をはっきりさせて求人を出すことで、応募者との齟齬が無くなります。

2. 採用条件の明確化

求人情報においては、募集の目的の明示と並行して、その内容に対する具体性も求められます。例えば、「未経験者歓迎」や「週2日以上勤務可能」など、具体的な条件を設定することで、応募者は勤務した際の状況を具体的に想像しやすくなり、入社後の違和感を軽減できます。

大切な点として、応募手続きの負担や要求のハードルを上げすぎないことが挙げられます。条件が高すぎたり、必要な手続きが煩雑であると、応募者が集まりにくくなる可能性があります。サウナは男女ともに人気を集めているため、個室サウナのスタッフとして勤務したいと考える人々も多いと想定されます。このような層を逃さないため、ここだけは外せない条件以外は過度な要求を避けて、求職者を多く募ることを心掛けましょう。応募方法も簡易的でアクセスしやすいものを提供することが有効です。

3. ターゲットの意識

個室サウナを経営するにあたってのターゲットは、ストレス解消やリラクゼーションを求めるビジネスパーソン、健康・美容に興味がある20~30代の女性など、多岐にわたります。雇うスタッフは、自身の店舗のターゲットを意識した人選であることが望ましいです。

例えば、仕事の疲れを癒したいビジネスパーソンがターゲットなら、温和な態度で接客するスタッフが好ましいでしょう。また若い女性がターゲットなら、女性は同性の方が身体や健康について話しやすい点から、女性のスタッフが担当してくれることが店舗への信頼につながります。

4. 店舗の強みの強調

求人サイト等でスタッフを募集する際には、例えば「月収〇〇万円以上可」や「スタッフは月〇回サウナ無料」などといった、店舗の魅力を強調することが必要です。ただし、特長をただ羅列するだけでなく、誤解を与えるような表現は避けることで、求職者を逆に遠ざける事を防ぐことができます。以下に、店舗の強みを強調できるポイントを5つご紹介します。

企業のビジョン:企業が大切にしている価値観や追求している目標を明示することで、応募者の意欲を引き出し、目指している人材と出会える可能性が高まります。

職場環境の特色:職場の雰囲気や設備の状況など、具体的な職場の特色を示すことで、求職者は自分が働く状況を具体的に想像しやすくなります。

成長の可能性:職場で得られるスキルや知識について説明すると、意欲的な求職者を引きつける可能性が高まります。また、店長候補であることを記載すると好ましいです。

福利厚生:健康保険、有給休暇制度、退職金制度、フレキシブルな労働時間など、具体的な福利厚生の詳細を説明すると、求職者は安心感を持って応募できます。

写真や映像:実際の職場の写真や映像を用いると、求職者は自分が働く状況をより具体的に想像しやすいです。最新の設備が揃った店舗であれば、働く意欲を喚起できます。

5. 求人方法の選択

求人の手段は多岐に渡るため、求人の規模や採用したい人材のタイプによって最適な方法を選びましょう。

求人サイト:求職者が自身の希望条件に基づいて求人情報を探すことができ、最も一般的な求人媒体です。雇用形態や地域、職種を自由に選択できるため、求職者との間で条件が食い違うことが少ないです。

フリーペーパー:コンビニや駅で配布される求人媒体で、掲載エリアが限定されているものの、地域に密着した採用活動を希望する場合には最適です。

求人検索エンジン:Web上の求人情報をまとめて検索できるシステムで、求職者は大量の情報を得ることができます。ただし、情報が多すぎるために、自社の求人情報が埋もれてしまうこともあります。そのため求職者に情報を発見してもらうためには、定期的な情報の更新や、適切なキーワードの設定が必要です。

人材派遣会社:企業のニーズに合わせて適切な人材を紹介するサービスです。これを利用することで、即戦力となる人材を素早く採用することが可能となります。

無人運営における重要なポイント

有人運営では、適したスタッフを各業務に配置することで運営が行われますが、無人運営の場合はどのシステムをどの位置に設置するかという知識が重要となります。ここでは、無人運営における注意すべき要素とそれに関連する具体的なシステムを説明します。

1. セキュリティ

セルフ脱毛サロンの設備は高額なものが多いため、器物損害から保護することが必要です。有人運営ではスタッフが監視を行うことで迅速な対策が可能ですが、無人運営ではそれが困難です。そのため、監視カメラの設置や警報システムのような高度な防犯システムを導入し、設備を保護することが求められます。

画像引用元:セコム公式サイト

セコムは建物や従業員数、サービスのタイプからそれぞれの施設にあった防犯システムを設置でき、考えられる課題やリスクを事前に対策できます。

ただし設備の保護と両立して、顧客のプライバシーの保護も行わなければなりません。個室サウナは、周囲を気にすることのないプライベート空間を提供するビジネスであるため、プライバシーの保護が顧客に提供するサービスの前提となるからです。そのため、監視カメラの設置は顧客のプライバシーに反しない程度で行うことが必須です。

また、システムの不正利用や料金未払いなどの問題にも対策が必要です。顔認証システムや事前予約・決済、スマートロックなどの導入により、店舗内でのトラブルを防ぐことが可能となります。

2. オンライン予約システム

効率的な運営には、顧客がかんたんに予約できるシステムの導入が必要です。特に無人運営では、オンラインでの予約やオンライン決済、スマートロック機能があると、顧客が設備を利用するまでの手続きが簡素化され、新規の顧客を獲得する機会を逃すことが少なくなります。

画像引用元:RESERVA公式サイト

特にRESERVA(レゼルバ)は、登録事業者数20万社以上と国内最大級の導入実績を誇る予約管理システムで、入退室を自動管理するスマートロック連携や事前決済が可能なオンライン決済機能など予約管理にとどまらない経営に必要な機能が多数搭載されています。

3. 顧客サポートの体制

ガイダンス・故障時の対応

個室サウナは、顧客が自ら設備の操作やサウナ内の温度調節を行わなければなりません。その際、実際にサウナを利用する方法を収めたガイダンス動画があると、顧客がスムーズにサウナを利用できます。

また、設備の故障が発生した場合に顧客がヘルプを求められる電話サービスがあると望ましいです。そのため、サウナ内には必ず非常連絡先を掲示しておくべきです。連絡先は顧客がいつでもアクセスできるように、予約確認メールやサウナ内の明瞭な場所に掲示することが重要です。そして緊急時のために、押したら外部と連絡が取れる非常用押しボタンも設置しましょう。

適切な案内表示

無人運営の個室サウナはスタッフが不在のため、通常スタッフが行う個室への案内がなく、顧客は自ら利用する個室に足を運びます。そのため、案内表示はわかりやすく配置することが必要です。顧客の目線の高さを意識した場所に大きな文字で書かれたプレートを配置するなどの工夫を行うことで、顧客は迷うことなく個室にたどり着けます。

また予測できない災害の際、顧客が避難場所の場所をわからず、混乱が起こることが想定されます。そのような事態を避けるために、避難場所が書かれた表示を配置する際はエントランスや各個室の入口など顧客の目の留まる場所に置くことが望ましいです。

このような表示の配置、ひいては適切な避難ルートや避難場所の設定について迷ったら、地元の消防署や専門家の助けを借りることをお勧めします。これにより、適切な安全対策が施されていることを顧客は確認できます。

4. 衛生管理

個室サウナは顧客に清潔な空間を提供するサービスのため、衛生管理に多大な注意を払うことが必須です。サウナの室内、シャワーエリア、更衣室、トイレなどの高頻度利用エリアは毎日清掃することが求められます。

また、サウナ設備のメンテナンスや機器の破損といった物理的な問題にも対策を講じる必要があります。特にサウナの換気は重要で、エアフィルターは定期的にチェックし、必要に応じて交換します。

イオンディライトは、施設全体とその周囲の環境を安全かつ安心して利用できる状態を保つための清掃サービスを提供しています。美しさを保つだけでなく、施設の耐用年数を延ばすことも視野に含めた効果的な清掃を行っています。また、清掃ロボットを使用したり、環境を考慮した新しい清掃器具の開発などを推進することで、持続可能な清掃サービスを提供しています。

5. 緊急事態対応

無人経営の個室サウナは、スタッフが不在のために顧客の緊急事態に対して対応が遅れてしまうというデメリットがあります。これを解消するために顧客が利用できる緊急警報ボタンを設置すると、体調不良などの緊急事態に運営側がすぐに気づくことができます。また、顧客の明らかに目に見える場所に救急キットを設置するのも大切です。

緊急事態の予防策として、サウナの温度、湿度などの環境条件が一定の範囲を超えた場合に自動的に設備を停止するの自動化システムを導入することも検討する価値があります。

6. フィードバックの収集

スタッフが勤務する形態の個室サウナは、顧客とのコミュニケーションが存在するので顧客満足度やロイヤルティが実感されやすいですが、無人経営の個室サウナであると顧客のサウナを利用した上の感触を捉えることが難しいです。そのため、積極的に顧客のフィードバックを収集することが大切です。

サービス利用後に顧客に送るメール内にフィードバックフォームのリンクを埋め込むオンラインサーベイを用いるのは選択肢の一つです。その際、RESERVAを用いると、サンキューメールと顧客アンケートの自動化設定が可能です。

まとめ

今回は個室サウナにおける、有人運営と無人運営のそれぞれの特徴やポイントについて解説しました。顧客満足度、セキュリティ、人件費といった多角的な観点から、自分の店舗に最適な運営方針を選択して開業することを推奨します。この情報が、個室サウナの経営を検討している方々の参考になれば幸いです。

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画像引用元:RESERVA公式ホームページ

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顧客管理や予約業務をシステムに任せることで、有人運営でも無人運営でも多くの予算と時間を削減できます。ぜひ利用を検討してみてください。