セルフ脱毛サロンで赤字から黒字に変わる経営改善のコツ

セルフ脱毛サロンで赤字から黒字に変わる経営改善のコツ

セルフ脱毛サロンを経営するにあたって、施設の運用費や維持費、顧客満足度の向上、最新の技術の導入など、さまざまな要素をバランス良く管理しなければなりません。そうした事柄が思うように進行せず、経営が困難になり、最終的には倒産に至る事例も存在します。脱毛サロンは倒産件数が増加している業界であり、株式会社帝国データバンクが発表した「全国企業倒産集計 2022年度報」によると、企業倒産件数は2021年には1件だったのに対し、2022年には7件にまで増えています。

このようにセルフ脱毛サロンの運営はかんたんなものではありませんが、適切な戦略と経営計画によって障壁を克服していくことが可能です。経営の過程では、問題解決の手段を常に探し、経営の改善や成功への道を目指す必要があります。このような努力を経営改善と言います。経営改善は、企業の競争力の強化、生産性の向上、利益の拡大、企業価値の上昇など、様々な観点で極めて重要な役割を果たします。

この記事では、セルフ脱毛サロンの経営改善に向けて、どのように進めていけば良いか、そして経営改善を推進する際の重要なポイントをご紹介します。

経営改善が求められる状況 

経営不振が起こる要因として、市場変化への適応不足、人材不足、ニーズの見誤りなどが挙げられます。また、経営戦略の誤った採用やリスク管理の不十分さも大きな影響を与えます。これらの課題は企業にとって深刻であり、経営不振や破綻のリスクが存在します。

経営不振の影響は多岐にわたり、売上低下や投資制約、競争力の低下、ブランドイメージの損失などの問題を引き起こす可能性があります。経営不振の兆候が見えた場合、迅速かつ適切な経営改善策の実施が望まれます。経営改善は、経営不振を改善するためだけではなく、常に変化する外部環境や市場、技術、顧客ニーズに対応し、企業の生存と成長を促進するためには欠かせないプロセスです。

セルフ脱毛サロンは、導入費用がおよそ約200万円から500万円前後と推定され、大規模なサロンを経営するとしても費用は1,000万円程度と推定されます。ゆえに、比較的開業しやすいビジネスの業態といえます。しかし、閑散期にあたる冬季には売り上げが減少しやすい点、都市部では脱毛サロンが集中しており店舗の差別化が難しい点から、経営不振に至りやすいビジネスであることも事実です。そのため、緻密な経営計画の企画・多店舗と差別化されたコンセプトの打ち出しなどの施策を行うことが望まれます。そのような努力を重ねることで経営破綻を避けることが可能となり、安定した経営が実現します。

経営改善をするフロー

経営改善が必要になった場合、以下のようなフローで経営を考え直すことでマーケットへの適応が見込まれます。

1.事業環境の分析:現在の店舗状態の把握と、経営上の課題の明示
事業を進める上で、自身の状態を把握し、それに基づき課題を明確化することが必要です。これは、自己分析と外部環境分析の二つから構成されます。自己分析では、自社の強み、弱み、機会、脅威を見つけ出すのが目的です。一方、外部環境分析では、業界の動き、競合関係、顧客の要望、法的な規定等を理解することが求められます。

2.目指すべき方向性:解決すべき課題への具体的な目標の設定
収入の増加、コストの削減、市場占有率の拡大、顧客満足度の上昇等、具体的且つ実現可能な目標を立てることで、より改善へと近づくことができます。

3.改善の戦略:目標達成に向けた改善計画の構築
新商品の開発、マーケティング戦略の再検討、業務の効率化等、多くの手段から戦略を練り上げることが可能です。そして、その戦略を実行するための詳細なアクションプランを作り、各任務の責任者、期限、必要な資源等と共に明記します。

4.実行と観察:改善計画の実施と進行管理
策定した行動計画に基づき戦略を実行し、その進行状況を定期的に観察します。進行状況に応じて、行動計画の微調整を行うこともあります。

5.実績の評価:実施した改善計画が目標達成に寄与しているかの評価
目標達成のための行動が完了した後、その結果を評価します。成功した部分、更なる改善が必要な部分を特定し、次回の経営改善の参考にします。

この過程を繰り返し、継続的に新たな計画を立てて適宜調整することで、経営方針が確実なものとなり、業績の改善を図ることができます。注意点として、実現する可能性が低いと思わしき改善策は実際に導入しても経営改善ができず、むしろ悪化する場合が多いため、実現性の高い改善策を立案する必要があります。

経営改善を行うにあたっての具体的なポイント

実際に経営を改善するにあたり、何をどのように変更するかについて悩む経営者はとても多いと思います。本項では、経営改善に必要な具体的なポイントを紹介します。

リピーターを増やす顧客体験

顧客の満足度が高く、リピーターが多い店舗は、一般的に売上が増加する傾向にあります。1人の顧客が店舗に対して好感を持つと、その顧客が再度来店するだけでなく、他の人々にも推薦する可能性が高まり、結果的に店舗の利用者数が増加します。

セルフ脱毛サロンにおいてリピーターを増やすためには、第一に脱毛器は高品質な機器を導入することが必要です。通常の脱毛サロンと異なり、セルフ脱毛サロンは施術するスタッフが不在のため、顧客の満足度は脱毛をいかに達成できたかという点に比重が大きくなるからです。そのため、機器に関しては充実させることを心掛けましょう。

また、脱毛未経験者へのクーポンは一般的ですが、2回目以降に利用する顧客に対しても定期的にキャンペーンを提供することで、リピーターを増やすことが可能となります。 また、ポイントカードを導入し、リピーターが利用しやすい制度を導入することも効果的です。

ターゲットの再選定

経営戦略の中心となるターゲットは、変更が必要であると感じた場合には、再設定するべきです。セルフ脱毛サロンにおいてターゲットの再選定を行うにあたり、「年齢層」と「ライフイベントの取り込み」を強く意識することが望ましいです。

年齢層

年齢層の意識は、ターゲットの選定にとって重要です。株式会社リクルート・ホットペッパービューティーアカデミーが2023年に発表した「男女のムダ毛・脱毛に関する意識調査」内「サロン・クリニックの利用状況(1年以内)」によると、Z世代(15~24歳)の1年以内のセルフ脱毛サロンの利用者は、40代と比較すると女性では約4倍、男性では約2倍となりました。このことから、本稿ではターゲットを若年層を中心に据えることを推奨します。

また、セルフ脱毛サロンは通常の脱毛サロンと比較すると安価であることが特徴として挙げられます。ゆえにターゲットは若年層の中でも20代だけではなく、10代の学生を考慮に入れるのが好ましいでしょう。そのため、もし学生をターゲットに設定すると仮定すれば、「学生限定夏休みプラン」などの施策を打ち出すことが可能となります。

しかし、徒に学生をターゲットに選んだからと言って、経営状況が必ずしも改善されるとは限りません。自身の店舗がある地域の年齢層、訪れる客層を分析した上でターゲットは選定することが求められます。

>>メンズセルフ脱毛における経営戦略とリスク管理の解説

ライフイベントの取り込み

「ブライダル脱毛」という言葉があるように、結婚式の際に脱毛を行うことが一般的になりつつあります。また、誕生日やクリスマスの際に脱毛を行うユーザーも多く、脱毛はライフイベントに合わせて行われることも多くなっています。このような脱毛に結び付けられるライフイベントを考慮に入れた上でターゲットを選定すれば、経営状態は改善する上に他店舗との差別化が図られることが期待できます。

例えば、学生をターゲットに据えるとしたら、夏休み、卒業、就職活動、結婚など、顧客が人生の各ステージで最高の自分を感じられるよう脱毛を提供するというメッセージを伝えることが可能となり、長期的に店舗を利用する顧客を生みだせます。

コンセプトの再選定

コンセプトも経営にとって重要であり、変更しなければならないと感じた場合には、再設定しましょう。コンセプトは経営の指針となり、機器導入、マーケティング、顧客サービス等、ビジネスのあらゆる面で一貫性を保つのに役立ちます。セルフ脱毛サロンの経営にあたっては、「競合他社と差別化」されたコンセプトや、「閑散期を逆手に取った」コンセプトを打ち出すことが重要となります。

競合他社との差別化

脱毛サロンは開業までの敷居が低く、セルフ脱毛サロン自体に大きな特徴があるため、差別化されることが難しいです。そのため、大手や競合他社にはない独自の魅力をもったコンセプトを打ち出すことが必要になります。

例えば、自身の店舗がある地域の年齢層や人々の特性を考慮することは選択肢の一つです。若い人々が多い地域に店舗があれば、トレンドに敏感で、最新の美容情報を求めていることに合わせたコンセプトを打ち出すとよい効果が見込まれます。

また都市部に店舗を展開する場合、環境に配慮した人々を想定したターゲットとして、エコロジカルな製品や高エネルギー効率の脱毛器を用いるという、環境に配慮したコンセプトを打ち出すと有効です。

閑散期を逆手に取ったコンセプト

脱毛の需要は、肌を露出する機会が多い春季・夏季に高まりますが、反対に冬季には落ち込みます。そのため、セルフ脱毛サロンを経営するにあたって、冬に収益を増大できるかどうかが重大事項となります。

しかし、冬という閑散期を逆手に取ったコンセプトを打ち出すことで、冬季でも利益を生みだすことが可能です。例えば、脱毛は日焼けを避ける必要があるという点を利用すれば「冬こそ脱毛のベストシーズン」というコンセプトを展開できます。具体的な施策としては、冬季限定の割引キャンペーンやパッケージプランを提供することなどが考えられます。また、夏に向けて早めの準備を始めることを美容意識の高いユーザーに促すことを目的として「早めの準備」コンセプトを打ち出し、冬季から春にかけての脱毛プランを提案することも効果的です。

価格の見直し

価格の見直し前に、全体的なコストの把握が必要です。初期投資とランニングコストはいくら必要で、売上はどの程度見込めるかなど、収益と費用の詳細な分析を行い、「損益分岐点」、つまり利益が出始めるポイントを明確にしましょう。

料金設定を再検討する際には、競合他社の調査、選んだターゲットとコンセプトに合致したサービスが提供できるかを検討します。セルフ脱毛サロンは低価格でサービスを提供する店舗が多いですが、価格がターゲットにとって高いのか、もしくは利益を見込めないほど低いのかなどの分析を行うことが望まれます。また、曜日や時間帯によって料金が変わるなど、フレキシブルな価格設定を採用することも重要です。

客単価の増加

セルフ脱毛サロンの収益を増加させるにあたって、客単価を増加させることも大切です。そのためには、第一には脱毛サービスをより充実させましょう。セルフ脱毛サロンは低価格で好きな部位だけ脱毛できることがメリットですが、全身脱毛や高品質な脱毛器を使用したプレミアムコースを設けることで、顧客が高価なサービスを選択する機会を提供できます。

また、脱毛以外のサービスを行い、付加価値を付けることも検討する価値があります。例えば、オンライン上のカウンセリングを導入することで、追加で利用可能な有料サービスを提供することに加え、顧客の店舗への愛着を深めることが可能になります。

システムの活用

新たなテクノロジーやシステムの利用は、業務の適正化、サービス品質の向上、そして新しいものへの関心を抱く顧客の取り込みなど、経営全体の最適化に寄与します。これは、例えばセルフ脱毛器の最新モデルへの更新だけでなく、顧客のサロン利用をより簡単にするシステムの導入等、顧客満足度と運営者やスタッフの業務負荷軽減の双方が求められます。

たとえば、オンライン予約システムや自動決済システムの採用は、店舗運営の効率化だけでなく、面倒な予約手続きによる機会損失を防ぐための手段ともなります。管理業務に追われることなく、スタッフは顧客対応に専念することが可能となり、これにより顧客のロイヤリティ向上が期待できます。

マーケティングの強化

企業の発展には、マーケティングへの取り組みが欠かせません。成功したマーケティング戦略は、企業の認知度を上げ、新たな顧客を引きつけ、利用状況や収益に対して直接的に貢献します。さらに、マーケティングの適切な運用により、顧客の趣味や行動をより深く把握し、対象とする顧客に対して最適なサービスを提供することが可能となります。

具体的な例として、YouTubeやTikTokなどの動画配信サイトは幅広い年齢層に閲覧されており、最近では店舗が独自のアカウントを持つことが増えてきています。自社のターゲット層に合わせたコンテンツの制作を通じて、新規の顧客を獲得することができます。セルフ脱毛サロンであれば、セルフ脱毛器のハウツー動画やVIO領域の脱毛動画など、セルフ脱毛サロン固有のコンテンツを作ることで、店舗でのサービスを補うと共に、店舗への興味を喚起することが可能です。

経営改善を図ることでマーケティングを強化し、市場の変動や競合環境の変化に対応する能力を高めることで、ビジネス運営の持続可能な基盤を強化することが可能となります。

>>セルフ脱毛サロン|店舗集客の方法やポイント、施策をくわしく解説!

まとめ

今回はセルフ脱毛サロンの経営戦略の改善について詳しく説明しました。

実際に店舗を運営していく中で、期待したほど売上が伸びず、困難に直面したり、大手や競合他社に顧客を奪われるなど、さまざまな理由で運営に頭を悩ませる場合があります。こういった状況になったときこそ、適切な経営改善のポイントを理解し、具体的な改善策を段階的に実施していくことが必要となります。

現実的に難しい改善案を推進したりすることは避け、他社にはないコンセプトの上での施策の実施、顧客満足度を向上させる方法の導入など、計画的に進行することが重要です。

効果的な戦略や施策によって、快適なセルフ脱毛サロンの経営を目指してみてください。

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