トリミングサロンを開業するためのポイント｜開業資金の調達方法や必要な許可書を解説！

トリミングサロンとは、犬や猫などのペットを対象に、シャンプーやカット、ブラッシングなどのサービスを提供するサロンを指します。トリーマーが定期的にペットの毛や爪をカットすることで、室内の転倒防止につなげられたり、清潔感も整えられます。

一般社団法人 ペットフード協会の「2021年（令和3年）全国犬猫飼育実態調査 結果」における「１年以内新規飼育者の飼育頭数」では、2019年には35万件であった犬の飼育数は、2021年には39万7,000件まで上昇しました。同機関によると、2020年の新型コロナウイルス感染症を契機に、ペットを癒しと感じる人が増えました。

このようなペット需要が高まる中、トリーマーサロンの開業を考える方も多いでしょう。開業を進めるにあたり初期投資、ランニングコスト、運営方針の確立などの準備を行うことが重要です。また、開業後のスムーズな集客に向け、多店舗との差別化や効果的なマーケティング施策が必要となります。

本記事ではトリミングサロンの開業ステップ、経営管理、成功のポイント、リスク管理について解説していきます。そして、トリミングサロンの運営に予約システムを導入するメリットについても紹介します。

トリミングサロン開業の流れ

トリミングサロンの開業を進めるにあたり、以下のステップを押さえて準備していくことが大切です。

開業に向けた市場の分析

市場分析はトリミングサロンを開業する上で非常に重要です。この分析により、効果的なビジネス戦略を立てるための基礎データを収集することができます。

事業計画の策定

事業計画を策定するうえで、どれくらいの規模で事業を実施するのか、開業資金やランニングコスト、収益見込みなどを考慮します。また、物件家賃や人件費などのランニングコストは、慎重に仮説検証して、正確な数値を算出することが重要です。正確な事業計画を策定することで、資金調達をしやすくなり、資金難に陥るリスクを下げられます。

そのうえで、以下のポイントにも考慮することが重要です。

開業に向けた資金調達

開業資金の調達方法は主として、助成金や融資が挙げられます。多角的な方法を踏まえることで、自身のサロンに適した資金調達を実施することが重要です。

助成金

助成金は、地方自治体や財団法人などの団体が特定の条件を満たす事業者に対して無償で提供する経済的支援を指します。助成金は後払いで事業者に入金されることが特徴です。

助成金の審査をするうえで、計画的な資金計画が求められます。

金融機関からの融資

開業資金が不足している場合は、金融機関からの借入れを検討します。信用情報や事業計画の内容に基づいて、金融機関から融資を受けることができます。融資の条件や金利、返済計画をしっかりと把握し、事業の収益性を損なわない範囲で借入れを行うことが重要です。

営業許可の取得

トリミングサロンの開業に必要な資格と届出の手続きをすることで、公式に開業ができます。

届出

個人事業主としてトリミングサロンを開業するにあたり、1カ月以内に所轄税務署に開業届を提出する必要があります。

届出の提出方法は、下記の種類に分けられます。

資格

トリミングサロンを開業する際、動物取扱責任者の資格が必要です。各地域により取得基準が異なることがありますが、下記のいずれかを満たすことが要件となります。

保険の加入

トリミングサロンとして事業を運営する上で、事故やトラブルは避けて通れません。そのため、適切な保険への加入は、事業主だけでなく、利用者の安心にもつなげられます。

ペット事業者賠償責任保険

ペット事業者賠償責任保険は、顧客から預かったペットに怪我を負わせるなど、損害賠償責任を負担させた場合にを補償する保険です。以下に該当する場合、補償金の支払いがされます。

受託者賠償責任保険

受託者賠償責任保険とは、トリーマーがペットに怪我を負わせたり、不慮の事故を招いた場合に適用される保険を指します。例えば、トリーマーが施術時にペットに怪我を負わせた場合が対象となります。

マーケティング戦略の展開

トリミングサロン開業の成功は、ターゲット市場の正確な特定が重要な要素となります。トリミングサロンのマーケティング戦略において、以下のポイントを押さえて活動していくことが大切です。

オンラインマーケティング戦略

現代の消費者は情報をインターネットで検索し、オンライン上の口コミやレビューを通じて判断を下します。トリミングサロンのオンラインプレゼンスを最大化することが集客には不可欠です。

以下に、トリミングサロンのマーケティングをするうえで重要なポイントを紹介します。

SEO対策でサイト検索からの集客

SEO（検索エンジン最適化）への対策をすることで、検索エンジンの中で上位表示されるようになり、トリミングサロンを探しているユーザーに自社の情報をダイレクトに届けられます。検索流入が増えると、Web集客が加速するので集客効果を高めることができます。

ソーシャルメディア活用

InstagramやFacebookなどのソーシャルメディアは集客において強力なツールです。ターゲットオーディエンスが多く利用しているプラットフォームを選び、魅力的なビジュアルコンテンツやユーザーの関与を促す投稿を行うことが肝心です。

また、インフルエンサーとのコラボレーションを通じて、リーチを拡大することも有効な戦略の一つです。そのうえで、ブランドの価値と一致するインフルエンサーを選び、効果的なコラボレーションが求められます。

MEO対策

スマートフォンの普及により、実店舗へのアクセスがオンライン検索を通じて増加しています。店舗運営にあたっては、単に店を構えるだけでなく、Googleマイビジネスの設定、ウェブサイトとGoogleマップの連携、口コミなどをマップ上での宣伝戦略を理解し、活用することが必要です。

これらの施策は、店舗のオンラインでの視認性を高め、集客をするうえで有利になります。

リテンションマーケティング

リテンションマーケティングとは、顧客との継続的な関係の構築に向けたマーケティング戦略を指します。下記で具体的な取り組みを紹介します。

顧客エンゲージメントの向上

メールマーケティングや会員限定イベント、SNSでの積極的なコミュニケーションを通じて、顧客との関係を強化します。顧客が関わりたいと思うブランドや体験を提供することで、エンゲージメントと顧客満足度を高めます。

リピーター向けのオファー

リピーターには専用の割引やプロモーションを提供することで、その忠誠心を更に深めることができます。定期的なアプローチは顧客の継続的な関心を保ちます。

トリミングサロン向けの予約システムとは

トリミングサロンの予約システムは、店舗予約や顧客管理を自動で行うシステムです。トリミングサロンにおける業務の効率化はもちろん、集客に役立つ機能を数多く搭載しています。

ここでは、予約管理システムの導入メリットと、トリミングサロンの運営に役立つ予約システムの機能について解説します。

予約システムの導入メリット

予約システムを導入することで、トリミングサロンの予約受付において大きな手助けとなります。以下は、そのなかでも特に効果的なメリットです。

トリミングサロンに役立つ予約システムの機能

予約システムはさまざまな種類が存在しています。それぞれ特徴が異なるため、各トリミングサロンに合った予約管理システムを判別することが必要です。

オンラインカード決済機能

オンラインカード決済機能とは、オンライン予約時にクレジットカードで決済できる機能のことです。  オンラインカード決済機能を活用することで、顧客は事前に支払いを完了できるため、予約当日にスタッフが要する業務の負担が軽減されます 。

LINE連携機能

LINE連携機能とは、LINE公式アカウントと予約システムを連携させる機能です。連携することで、LINE公式アカウントを友だち登録している顧客が、自身のLINEアカウントを使っての予約や配信コンテンツの受け取れます。顧客がLINEアカウントで予約をする際における、連絡先の入力作業を一部省略できることも利便性の向上に効果的です。

多言語対応機能

多言語対応機能とは、予約サイト内の文言を自動か手動で翻訳できる機能です。設定可能な言語は、日本語、英語、中国語（簡体）、中国語（繁体）、韓国語、タイ語となります。予約サイトに多言語対応機能を取り入れることで、日本語力が十分でない外国人顧客向けに対応が可能です。

まとめ

本記事ではトリミングサロン開業の流れやマーケティング戦略について解説しました。トリミングサロンの運営に向けて予約システムを活用することで、効率的な店舗管理ができます。トリミングサロンの運営を効率良く利用するため必要な経営計画やスキルを多角的に学び、経営を行っていきましょう。