個室サウナに需要アリ。今から開業したい人が知っておくべきポイント【前編】

個室サウナに需要アリ。今から開業したい人が知っておくべきポイント【前編】

サウナは、フィンランドをはじめとする北欧の風呂文化のひとつとして寒さをしのぐためや社交の場、はたまた健康やリラクゼーションを目的として利用されてきました。日本でもストレス解消や身体のデトックスのためにサウナを訪れる人が増え、注目が集まっています。特にコロナ禍に密を避けられることで話題となった個室サウナは、現在でも人との接触を避け、プライベートな空間でサウナを楽しむことができることから人気を博しています。実際に新たに個室サウナが多数開店し、市場は大きな盛り上がりを見せています。

しかし開業にあたっては、初期投資、ランニングコスト、運営方針の確立などの準備を行うことが重要です。また、競争が激しい市場であるため、差別化するための戦略も必要となります。

本記事では個室サウナをこれから開業しようという人のために開業時にやるべき必須項目を紹介していきます。

個室サウナの需要

アソビュー株式会社が行った「サウナに関する全国調査」のサウナ歴に関する調査によると、コロナ禍以降(2019年~)にサウナに行き始めた層は全体の48.8%であり、サウナ市場は新規顧客の参入が多く、大きなブームとなっています。同時に10年以上サウナに通っている層は29.2%おり、新規も古参もどちらも楽しめることが魅力となっています。

特にコロナ禍以降から現在にかけて、密を避けられるだけでなくプライベートな空間、1人でいることで余計なストレスを感じないソロ活の一環として、個室サウナの需要が増加しました。個室サウナは、それまでのサウナと比べて、価格帯が高く設定され、高級感ある内装や会員制であることなど個室でしか体感できない特別感を提供する、サウナブームとともに今後も支持される施設です。

開業するために必要な経営ポイント

個室サウナの経営は、サウナ施設を確保できればすぐ開業できてしまうようなイメージがありますが、意外にも多くのステップがあります。まずは個室サウナ開業において、事前にやっておくべきポイントを8つ紹介します。

個室サウナ開業やることリスト

☑1.運営方針の決定
☑2.許可証・資格の取得
☑3.資金計画
☑4.物件選び
☑5.開業届の提出
☑6.青色申告の申請
☑7.社会保険の加入
☑8.集客

1.運営方針の決定

個室サウナは、幅広い層に人気がありますが、ターゲットを絞った経営でより経営の成功に近づきます。例えば、女性をターゲットにするなら、おしゃれな内装へのこだわりや、個室内で美容ケア用品を無料で利用可能にするなど、同じ個室サウナ経営でも、ターゲット層によって運営方針は大きく変わり、かかるコストにも違いがあります。また、中長期的な事業計画を立てておくことで資金調達の補助金や助成金の申請に役立ちます。

2.許可証・資格の取得

個室サウナ施設の運営方針によっては、いくつかの許可証が必要になり、開業前に取得する必要があります。また、開業時に必須となる資格はありませんが、サービスの向上などに貢献できるサウナ関連の資格もまとめました。

公衆浴場法に基づく設備基準に関しての許認可申請法的な位置づけとして、サウナは「その他の公衆浴場」に該当し、運営する際には保健所に対して申請を行う必要があります。この公衆浴場営業許可申請書とともに構造設備の概要書建物の平面図及び諸施設の配置図建築基準法に基づく検査済証の写し消防法令鄭豪通知書を提出して営業許可を得る必要があります。
食品衛生責任者飲食を伴う経営をする場合、食品衛生責任者資格を取得して、保健所から飲食店としての営業許可が必要です。都道府県知事などが行う食品衛生責任者になるための講習会を受講することで資格を取得できます。ただし、医師や薬剤師、栄養士、調理師など一定の有資格者は申請のみで食品衛生責任者になれます。
食品営業許可申請同じく飲食を伴う経営の場合、食品営業許可申請が必要です。施設が設備要件に合致しているかを保健所の担当が検査します。保健所への事前相談や許可証の交付など時間を要することになるため、計画的な手続きが必要です。

また、開業時に必須となる資格はありませんが、サービスの向上などに貢献できるサウナ関連の資格には、公益社団法人日本サウナ・スパ協会の公式資格「サウナ・スパ健康アドバイザー」や「サウナ・スパプロフェッショナル」のようなものがあります。

参考リンク
サウナ・スパ健康アドバイザー
サウナ・スパプロフェッショナル

3.資金計画

開業するにあたり、初期段階でかかる費用や都度かかっていくランニングコストを算出しなければなりません。特に個室サウナを運営する上でかかる費用について以下のようなものがあります。

初期費用
土地代・建物代        開業するための場所やサウナ設備が設置できるスペース、さらに水風呂や外気浴スペースなど、サウナに欠かせない施設も併設しなければならないため、十分な大きさや幅、奥行きが必要です。
サウナ機材費部屋を熱する機材や施設規模によっては多くの台数を必要とします。
内装・外装工事費用サウナ機器の導入と設置、内装・外装の工事費など、サウナ開業に関する独自の工事費が必須です。
ランニングコスト  
賃貸料賃貸物件の賃料を毎月支払う必要があります。
消耗品費サウナ用品の持ち込み式でない場合、店舗で購入し、その都度必要になります。
システム維持費予約や来店、来場業務をシステム化する場合に発生します。
人件費スタッフを雇用する場合、賃金の支払いを視野に入れる必要があります。
その他広告費、光熱費など必要不可欠な支払いが発生します。 

初期費用は一度に背負うことになるため大きく感じられますが、年数を重ねることで回収を見込めるため、長い目で見て計画を立てることがおすすめです。

4.物件選び

開業する物件や土地は、顧客の利便性や価格、敷地面積など多方面から考慮する必要があります。特にサウナ施設には、サウナ以外に水風呂や外気浴スペースが必須であり、ある程度の広さがある物件が求められます。

個室サウナ施設の物件は、スポーツジムや公園の近くなど、運動後に立ち寄りやすい場所がおすすめです。駅から近い場所に店舗を構えると、仕事帰りのビジネスパーソンや異なる駅に住む人も訪れやすく顧客獲得の機会が得られますが、駅に近いほど土地代や賃貸物件の賃料は高くなるため、十分に検討する必要があります。

5.開業届の提出

事業を開始して1カ月以内に、個人事業主は税務署に開業届を提出する必要があり、その提出方法は3パターンにわかれます。

窓口での提出:直接税務署の窓口に行くと、記入漏れなどの心配をせずに提出ができます。ただし、平日のみの営業です。

郵送・投函:開業届は国税庁のホームページからダウンロードできるため、郵送や時間外収受箱への投函が可能です。

オンライン提出:国税庁のオンラインサービスe-Taxの利用によって、自宅で開業届を提出できます。

6.青色申告の申請

青色申告とは、確定申告の方法の一つです。

確定申告とは、所得を得た人が所得税を正しく納税するためにする申告であり、怠った場合罰則や罰金が科せられます。確定申告を行うのは、毎年2月16日から3月15日で、所得税算出のほか、納税額を事前に概算し納める予定納税をした人は、納税額の過不足を確定する手続きにもなります。

個人事業主の確定申告は青色申告と白色申告から選択できます。青色申告は税制上の特別な控除を受けられ、白色申告はその適用を受けられません。何も申請しない場合は白色申告になり、青色申告をする場合は税務署に青色申告承認申請書を提出する必要があります。個人事業の場合、適用を受けたい年の3月15日まで、新規開業の場合は開業後2カ月以内に提出しなければなりません。

7.社会保険の加入

個人事業主は、個人の社会保険の手続きを自身で行う必要があります。

国民健康保険    日本では「国民皆保険制度」によって必ず入らなければいけない保険です。会社員は会社の規模や業種に応じた別の健康保険に加入しており、会社を辞めて個人事業主になった場合、14日以内に手続きをしなくてはいけません。
国民年金保険20歳以上60歳未満の人は、必ず加入しなければならない保険で、老年になったとき、障害状態になったときに保障される制度です。こちらも個人事業主であっても加入が必須で、退社後14日以内に手続きが必要です。
介護保険高齢者の介護負担を支える保険制度で、健康保険と同時に徴収されます。個人事業主も同様に徴収されるため、国民健康保険への手続きだけで問題ありません。

8.集客

個室サウナをはじめとした個人事業は、自身で自社の運営方針にあった顧客を集める必要があります。そのためには、運営する施設についての広告やSNS投稿を利用して周知しなければいけません。

特にSNSやホームページの運営などインターネットを介した集客は、顧客の目に留まる機会が多く、広告費との兼ね合いを考えながら積極的に導入するのがおすすめです。また、店舗の入りやすさや雰囲気、予約の容易さも新規顧客・リピーターを獲得する上で重要なポイントになります。

開業前に準備しておきたいもの

開業時、店舗の規模に合わせて何がどれくらい必要かを見極めていくことが重要です。今回はその中でも特に個室サウナに必要なものを5点紹介します。

サウナストーブ

サウナストーブは、部屋を暖め、特定の温度を維持するための機器です。上部には、サウナストーンと呼ばれる石が置かれており、熱を蓄えた石に水を注ぐことで蒸気が発生し、サウナの温度を上げます。サウナストーブには、特に有名なタイプとして電気サウナストーブと木燃料サウナストーブの2つがあり、コンセプトや予算によって利用するストーブを選択します。

電気サウナストーブは、電源を接続して温度を設定するだけで利用できます。火災発生のリスクが低い点や小規模のものなら相場が約4万円ほどと比較的安価である点から最も一般的に利用されており、都市部の施設などで人気があります。

木燃料サウナストーブは、フィンランドの伝統的なサウナと同様の仕組みで、電気ストーブより柔らかい熱と特有の香りが特徴的です。ただし、木材の調達・管理が難儀であり、安くとも約11万円ほどで電気サウナストーブより高価です。

サウナグッズ

サウナ施設の運営方針にもよりますが、サウナグッズの貸し出しを行う場合、顧客が手ぶらで訪れることができます。主に必要なグッズとして、タオルやバスローブ、マット、サウナハットなどが挙げられます。グッズのレンタルは、衛生面を考慮したうえで都度洗濯・交換が求められます。レンタルには、初期費用とランニングコストがかかるため、顧客自身のグッズ持ち込みやオリジナルグッズとして販売するといった方法もあります。

ホームページ

ホームページを公開しておくことで、より明確な情報や実績などが記載されたホームページは集客率の向上につながります。近年は無料でホームページを作成できるサイトや補助金制度、作成代行など費用や技術がなくても運用が可能です。

画像引用元:WordPress公式サイト

WordPress(ワードプレス)は無料で多くの人にアクセスされるホームページを作成できます。

メールアドレス

ビジネス用のメールアドレスは、サウナに関する問い合わせやビジネス上のやり取りの際に必要になります。フリーメールは費用がかからずかんたんにメールアドレスとして運用できますが、他社との差別化、信頼性を高めるために独自のドメインを取得するといった方法もあります。

ソフトウェア

ソフトウェアの導入は、多くの顧客を相手にする場合や少人数で運営する場合に特に有効です。紙での記帳や管理では、毎回の書類作成や書類保管など多くの面で手間がかかります。業務の効率化が図れるソフトウェアはサポートや費用、機能など自社にあったものを選ぶと効果的です。

RESERVA(レゼルバ)は、予約システムでありながらオンライン決済機能が搭載されており、予約と同時に支払いが可能で業務の手間を省くことができます。

ほかにも、弥生会計オンラインのような青色申告に必要な書類をまとめる会計ソフトや、案件や問い合わせの報告書を管理するkintone(キントーン)など、さまざまな目的に対応したソフトウェアがあり、機能を比べて利用することが必要不可欠です。

>>個室サウナに需要アリ。今から開業したい人が知っておくべきポイント【後編】はこちら

 

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画像引用元:RESERVA公式ホームページ

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