さまざまな作家やアーティストによる展覧会やイベントが開催されるギャラリーは、性別や年代を問わず、誰もが芸術に触れられる身近な場所です。最近では、アトリエやカフェが併設されたアートギャラリーなども増えており、画廊としての役割だけでなく、アートやデザインを通して人とのつながりを持てるスペースとして重宝されています。
ギャラリーを開業する際は、正しい流れを十分に把握しておくことが必要であり、開業後のスムーズな集客に向け、差別化戦略やマーケティング施策の考案も重要です。
本記事では、ギャラリーの開業ステップと経営に向けた重要事項、ギャラリーの経営に予約システムを導入するメリットについて紹介します。
開業までのステップ
物件選びのポイント
立地条件
ギャラリーの物件選びにおいて重要なのは、わかりやすくアクセスのよい場所を選ぶことです。駅から近いギャラリーや、建物の1階にあるギャラリーは来場しやすく、立地面だけでも十分な集客につながります。また、複数のギャラリーが入っている建物の場合、別のギャラリー目当ての来場者に立ち寄ってもらえる可能性があるため、より多くの来場が見込めます。
外装やデザイン
頻繁に搬入・搬出が発生したり、陶芸のように重い作品を持ち運びする必要がある場合は、階上の物件よりも1階の方が便利です。大きな作品の出入りがある場合には、出入口の幅を広くしておく必要があるため、観音開きのドアが役立ちます。
また、ガラス張りの路面店の場合、通りすがりの人にも作品を見てもらえる可能性があります。足を踏み入れにくい印象のあるギャラリーも、ガラス越しに中の様子を確認できるようにしておくことで、気軽に立ち寄りやすくなり、来場者の増加が期待できます。
事業計画の作成
事業内容の設定
ギャラリーを開業するにあたり、企画展やワークショップ・講座の実施など、どのような事業を主としていくのかを具体的に計画する必要があります。アート活動や作品の発表の場としての利用目的で展示室・スタジオを貸し出す「レンタルギャラリー」としての事業など、具体的な事業内容を設定します。
収支計画
収支計画では、事業開始から一定期間の収入と支出を予測します。どれくらいの規模で事業を実施するのか、開業資金やランニングコスト、収益見込みなどについても、事業計画書にまとめます。また、人件費などのランニングコストは、慎重に検証して、正確な数値を算出することが重要です。
資金調達の方法
助成金
助成金は、地方自治体や財団法人などの団体が特定の条件を満たす事業者に対して無償で提供する経済的支援を指します。助成金は後払いで事業者に入金されることが特徴です。
助成金の審査をするうえで、計画的な資金計画が求められます。
・近畿経済産業局「補助金採択後は、書類整理も重要です!」
・文化庁「文化財に関する助成・助成団体<展示関係>」
金融機関からの融資
開業資金が不足している場合、金融機関からの借入れを検討します。信用情報や事業計画の内容に基づき、金融機関から融資を受けられます。融資の条件や金利、返済計画をしっかりと把握し、事業の収益性を損なわない範囲で借入れを行うことが重要です。
・京都銀行「創業サポート」
・長崎銀行「ながさき創業支援資金」
・中国銀行「ちゅうぎん新規創業融資制度 結芽(ゆめ)」
営業許可の取得
届出
個人事業主としてギャラリーを開業するにあたり、1カ月以内に所轄税務署に開業届を提出する必要があります。法人設立の場合は、法人設立日から2か月以内に法人設立届出書の申請が求められます。
参考サイト:国税庁「個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき」
届出の提出方法は、下記の種類に分けられます。
①窓口での提出:直接税務署の窓口に行くと、記入漏れなどの心配をせずに提出ができます。ただし、平日のみの開庁です。
②郵送・投函:開業届は国税庁のホームページからダウンロードできるため、郵送や時間外収受箱への投函が可能です。
③オンライン提出:国税庁のオンラインサービスe-Taxの利用によって、自宅で開業届を提出できます。
資格
絵画や作品の売買をする場合や古美術等を扱う場合は、古物商許可の申請が必要になります。申請から古物商許可証の交付まではおよそ40日程度かかり、申請に必要な手数料を納付するタイミングは管轄の警察署によって異なるため、あらかじめ問い合わせておくと安心です。
参考サイト:警視庁「古物商許可申請」
保険の加入
多くのギャラリーでは、作品の運送中およびギャラリーでの保管中の事故を対象に、保険に加入することを契約上の義務とされています。
動産総合保険
美術品に保険をかける場合は、動産総合保険が代表的です。補償金額については時価額が基本となり、運送中や使用中に発生した破損や盗難など、偶然な事故による損害を補償します。絵画における色の変色や退色、カビによる損害は補償されません。
展示品保険
展示品保険では、商業の展示会に出品されているものなど、多くの人の目に触れる作品が補償対象になります。商用目的の保険であるため、法人が加入することが多く、接触・落下に伴う破損や展示会場で火災や自然災害が起きた場合の損害を補償します。
ギャラリーを経営するための重要事項
設備の導入
ギャラリーの設備は、種類や運営目的によって異なりますが、一般的に必要な設備として次のようなものが挙げられます。
- LEDスポットライト
- LEDダウンライト
- ピクチャーレール
- アクリル板
- 彫刻台
- カードスタンド
- 受付テーブル
スタッフの採用・トレーニング
ギャラリーのスタッフには、アート・芸術に関する知識の習得だけでなく、額装のセンスやテクニック、来場者とのコミュニケーション能力など、展示を成功させるために多様なスキルが求められます。内部研修や外部セミナー、ギャラリー訪問などのトレーニングを定期的に実施し、スタッフのスキル向上を図ることで、ギャラリー来場者の満足度向上が実現します。
オンラインマーケティング戦略
現代の消費者は情報をインターネットで検索し、オンライン上の口コミやレビューを通じて判断を下します。ギャラリーのオンラインプレゼンスを最大化することが集客には不可欠です。
以下に、ギャラリーのマーケティングをするうえで重要なポイントを紹介します。
SEO対策でサイト検索からの集客
SEO(検索エンジン最適化)への対策をすることで、検索エンジンの中で上位表示されるようになり、ギャラリーを探しているユーザーに対してダイレクトに情報を届けられます。検索流入が増えると、Web集客が加速するのでギャラリーの集客効果を高めることができます。
ソーシャルメディア活用
InstagramやFacebookなどのソーシャルメディアは集客において強力なツールです。ターゲットが多く利用しているプラットフォームを選び、魅力的なビジュアルコンテンツやユーザーの関与を促す投稿を行うことが肝心です。
また、著名な作家やアーティストとのコラボレーションを通じて、リーチを拡大することも有効な戦略の一つです。ギャラリーの雰囲気と一致するアーティストを選定することで、効果的なコラボレーションが期待できます。
ギャラリー向けの予約システムとは
ギャラリー向けの予約システムは、店舗予約や顧客管理を自動で行うシステムです。ギャラリーにおける業務の効率化はもちろん、集客に役立つ機能を数多く搭載しています。
ここでは、予約管理システムの導入メリットと、ギャラリーに役立つ予約システムの機能について解説します。
予約システムの導入メリット
予約システムを導入することで、以下のようなメリットがあります。
・業務効率化
予約管理システムは予約受付や顧客情報を自動で管理します。人の手により紙やExcelで管理する必要性を省けます。
・費用削減
予約システムの自動管理機能は、費用の削減にも効果的です。予約や顧客の情報はデータ化されるので、大量の紙や、管理するスタッフに費やしていた経費は低減されます。
・顧客体験の向上
予約の確認や変更をオンラインでかんたんに行えることで、顧客の利便性が向上します。また、待ち時間の短縮やスムーズな受付が実現し、顧客満足度も高められます。
・マーケティングの強化
予約受付システムを通じて集められる顧客データを分析し、ターゲット市場の動向や顧客需要を把握することができます。このデータを基に、効果的なマーケティング戦略を立案可能です。
予約システムの機能紹介
予約システムはさまざまな種類が存在しています。それぞれ特徴が異なるため、自身のギャラリーに合った予約管理システムを判別することが必要です。
オンラインカード決済機能
オンラインカード決済機能とは、オンライン予約時にクレジットカードで決済できる機能のことです。オンラインカード決済機能を活用することで、顧客は事前に支払いを完了できるため、予約当日にスタッフが要する業務の負担が軽減されます。
多言語対応機能
多言語対応機能とは、予約サイト内の文言を自動か手動で翻訳できる機能です。設定可能な言語は、日本語、英語、中国語(簡体)、中国語(繁体)、韓国語、タイ語となります。予約サイトに多言語対応機能を取り入れることで、日本語力が十分でない外国人顧客向けに対応が可能です。
写真ギャラリー機能
写真ギャラリー機能は、予約メニューごとに最大20枚まで設備や提供する部屋の写真を登録できる機能です。施設内の備品や利用環境を、視覚情報として利用者に提示できます。
まとめ
本記事ではギャラリーの開業までのステップや効果的な運営に向けた重要事項について解説しました。ギャラリーの運営に向けて予約システムを活用することで、効率的な店舗管理ができます。ギャラリーの運営を効率良く利用するため必要な経営計画やスキルを多角的に学び、経営を行っていきましょう。
ギャラリーの運営には、予約システム「RESERVA」がおすすめ!
画像引用元:RESERVA公式ホームページ
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RESERVAに搭載された豊富な機能は、業務効率の改善や費用の削減だけでなく、ギャラリーの集客にも大いに役立ちます。ぜひ利用を検討してみてください。